CentOS 8のリポジトリにPacemaker / Corosyncが存在しない問題を調べてみた

CentOS 8でHAクラスタによる冗長構成の構築を調査していたところ、OSSのHAクラスタソフトの定番であるPacemaker / Corosyncが、2019年10月現在、公式リポジトリにパッケージが存在していないことがわかりました。
CentOS Bug Trackerでも、同様の問題が提起されています。

色々と調べてみたところ、どうやらリリースが間に合っていないようです。

[2020/1/22追記]
CentOS 8.1 (1911)で利用可能になりました。
CentOS 8.1 (1911)でPacemaker / Corosyncが利用可能に

CentOS同梱版ソフトウェアのソースコードについて

CentOS同梱版ソフトウェアは、レッドハット社が公開しているアップストリーム製品であるRed Hat Enterprise Linux (以降RHEL)のソースコードを元に開発されています。

RHELのさらにアップストリーム製品であるFedoraの公式サイトによると、RHELのバイナリファイルはサブスクリプション契約がないと利用できないものの、ソースコードはOSSとしてレッドハット社のFTPミラーサイトで公開されてると記載があります。

FTPミラーサイトのRHEL 7のソースコード保管場所と思われるディレクトリを確認すると、READMEファイルが配置されていました。
内容を意訳すると、「RHELのソースコードは、CentOSプロジェクトのリポジトリに移動しました」と書かれています。

今までの情報を整理すると、RHELのソースコードはCentOSプロジェクトのリポジトリで公開され、それを元にCentOSコミュニティがCentOS版パッケージのビルドを行なっていると思われます。

Pacemaker / Corosyncのリリース状況について

CentOSプロジェクトのリポジトリを確認すると、rpmsディレクトリの配下にPacemekerCorosyncのディレクトリが存在しています。また、コミットメッセージを見るとパッケージはビルドされているようです。

また、CentOSで採用されているビルドシステムのMBOX Kojiを確認すると、Pacemaker / Corosyncのビルド済みRPMパッケージが公開されていました。

以上のことから、ビルド後のテスト等何らかの理由で、RPMパッケージが公式リポジトリに追加されていないのが現状のようです。
どうしても今すぐインストールを試したい人は、MBOX Kojiから必要なパッケージを個別にダウンロードしてインストールすることもできそうですが、今のところは公式リポジトリへのRPMパッケージ追加を待った方が良いでしょう。

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