CentOS 8.0 (1905)インストール時の同梱版ソフトウェアバージョン
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はじめに
2019年9月24日、メジャーバージョンアップ版のCentOS 8 (1905)がリリースされました。
(RHEL 8.0の互換バージョンのため、便宜上以降はCentOS 8.0と表記します)
各種サーバで用いられる主要なソフトウェアについて、インストールDVDの内容から初期インストール時のバージョンを調査しました。
本サイトでも先日紹介したCentOS 7.7と比べ、CentOS 8.0では同梱版ソフトウェアのバージョンもメジャーバージョンアップされたものが多々あります。
また、RedisやNginxなど今までCentOSに同梱されていなかったソフトウェアも追加されたので、公式リポジトリ提供のパッケージでより安定したシステムが構築できるようになっています。
前提条件
CentOSインストールDVDからminimalインストールを指定した以下環境で調査を行いました。
# cat /etc/redhat-release
CentOS Linux release 8.0.1905 (Core)
# uname -r
4.18.0-80.el8.x86_64
OSインストール直後、インストールDVDがマウントされている状態で、パッケージ名からソフトウェアバージョンを確認しました。
# df -Th | grep sr0
/dev/sr0 iso9660 6.7G 6.7G 0 100% /run/media/admin/CentOS-8-BaseOS-x86_64
# cd /run/media/admin/CentOS-8-BaseOS-x86_64/BaseOS/Packages
# ls -l <パッケージ名>-*
# cd /run/media/admin/CentOS-8-BaseOS-x86_64/AppStream/Packages/
# ls -l <パッケージ名>-*
CentOS 8のリポジトリ構成
CentOS 8のインストールDVDイメージには、BaseOSとAppStreamのリポジトリが含まれています。
BaseOSは、OSの動作に深く関わるソフトウェアで、1つのOSバージョンに対してソフトウェアも1バージョンのみ提供されています。
AppStreamは、RHELから受け継いだ機能で、1つのOSバージョンに対して複数のソフトウェアバージョンが提供されています。
今回の調査でも、どちらのリポジトリに格納されているか情報を付与しました。
Webサーバ
Nginxが追加されました。
[AppStream]
httpd-2.4.37-11.module_el8.0.0+172+85fc1f40.x86_64.rpm
nginx-1.14.1-8.module_el8.0.0+5+258f653c.x86_64.rpm
DBサーバ
PostgreSQLのバージョンが選択できるようになりました。
[AppStream]
mariadb-10.3.11-2.module_el8.0.0+35+6f2527ed.x86_64.rpm
postgresql-10.6-1.module_el8.0.0+15+f57f353b.x86_64.rpm
postgresql-9.6.10-1.module_el8.0.0+16+7a9f6089.x86_64.rpm
キャッシュサーバ
Redisが追加されました。
[AppStream]
memcached-1.5.9-2.el8.x86_64.rpm
redis-5.0.3-1.module_el8.0.0+6+ab019c03.x86_64.rpm
メールサーバ
[BaseOS]
postfix-3.3.1-8.el8.x86_64.rpm
[AppStream]
dovecot-2.2.36-5.el8.x86_64.rpm
DNSサーバ
[AppStream]
bind-9.11.4-16.P2.el8.x86_64.rpm
ファイルサーバ
[BaseOS]
samba-4.9.1-8.el8.x86_64.rpm
[AppStream]
vsftpd-3.0.3-28.el8.x86_64.rpm
tftp-server-5.2-24.el8.x86_64.rpm
LDAPサーバ
[BaseOS]
openldap-2.4.46-9.el8.x86_64.rpm
仮想サーバ
[AppStream]
qemu-kvm-2.12.0-64.module_el8.0.0+44+94c1b039.2.x86_64.rpm
libvirt-4.5.0-23.3.module_el8.0.0+44+94c1b039.x86_64.rpm
プロキシ、ロードバランサ
[AppStream]
squid-4.4-4.module_el8.0.0+7+fd5ef70a.x86_64.rpm
haproxy-1.8.15-5.el8.x86_64.rpm
ipvsadm-1.29-8.el8.x86_64.rpm
keepalived-2.0.10-1.el8.x86_64.rpm
クラスタリング関連
CorosyncとPacemakerが削除されていました。関連ライブラリのパッケージは残っているようです。
商用パッケージのRHEL High Availability Add-Onに考慮してのことでしょうか。
(削除) corosync
(削除) pacemaker
ネットワーク関連
[BaseOS]
NetworkManager-1.14.0-14.el8.x86_64.rpm
[AppStream]
wireshark-2.6.2-9.el8.x86_64.rpm
セキュリティ関連
firewalldのバックエンドとしてnftablesが追加されました。
また、従来のiptablesも残されています。
[BaseOS]
firewalld-0.6.3-7.el8.noarch.rpm
nftables-0.9.0-8.el8.x86_64.rpm
iptables-1.8.2-9.el8.x86_64.rpm
openssh-7.8p1-4.el8.x86_64.rpm
openssl-1.1.1-8.el8.x86_64.rpm
[AppStream]
libreswan-3.27-9.el8.x86_64.rpm
運用関連
[BaseOS]
logrotate-3.14.0-3.el8.x86_64.rpm
chrony-3.3-3.el8.x86_64.rpm
[AppStream]
rsyslog-8.37.0-9.el8.x86_64.rpm
開発関連
OpenJDK 1.6.0/1.7.0およびtomcatが削除されました。
一方で、Node.jsが追加されました。
Pythonは3が追加され、2も残されています。
[AppStream]
gcc-8.2.1-3.5.el8.x86_64.rpm
(削除)Java1.6.0/1.7.0
java-1.8.0-openjdk-1.8.0.201.b09-2.el8.x86_64.rpm
java-11-openjdk-11.0.2.7-2.el8.x86_64.rpm
(削除)tomcat
perl-5.24.4-398.module_el8.0.0+50+c3b345cd.x86_64.rpm
perl-5.26.3-416.el8.x86_64.rpm
php-7.2.11-1.module_el8.0.0+56+d1ca79aa.x86_64.rpm
python2-2.7.15-22.module_el8.0.0+32+017b2cba.x86_64.rpm
python36-3.6.8-2.module_el8.0.0+33+0a10c0e1.x86_64.rpm
ruby-2.5.3-104.module_el8.0.0+179+565e49e2.x86_64.rpm
golang-1.11.5-2.module_el8.0.0+105+d020cd05.x86_64.rpm
nodejs-10.14.1-1.module_el8.0.0+14+a5a48e73.x86_64.rpm
コンテナ
コンテナ環境として、Docker互換のPodmanが追加されました。
バージョン表記は同じですが、2種類のパッケージが存在しています。
[AppStream]
podman-1.0.0-2.git921f98f.module_el8.0.0+57+bb81156c.x86_64.rpm
podman-1.0.0-2.git921f98f.module_el8.0.0+58+91b614e7.x86_64.rpm
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